最近開発ツールとして大手ゲーム会社も活用が進み始めている海外製のUnity。
このツールにさらにゲームの部品を売り買い出来る仕組みとしてアセットストアというマーケットがあり、3Dキャラクターのモデルから人工知能(AI)、開発エディタのアドオンまで幅広く追加部品を開発者が低価格で購入できる仕組みだ。
アセットストアでNo.1売り上げを2012年に達成確実であるのがNGUIというツール。イマイチとの評判のUnityのGUIを売れるモノに変えてくれる素晴らしいツールだが、その作者がまた個性溢れる人物なのだ。
実績からついにはUnity Technologies社からスカウトされることが決まったのだが、サクセスストーリーが語られるかとおもった自らのサイト掲示板での投稿は複雑な心境そのもの。
Google翻訳だと伝わらないNGUI作者の苦悩を「超訳」してみた:
http://www.tasharen.com/forum/index.php?topic=2126.0
October 25, 2012, 01:52:44 AM
今年は本当に面白い年を過ごせた。去年の11月にフルタイムで働いていた仕事をやめて企業中心のゲーム開発から距離を置き自分の時間がほしかった。やりたいことは単純明快、ゲーム開発に没頭して年を過ごし、貯金を取り崩しながらリフレッシュして自分らしさを取り戻すことだった。
自由だったあの時
最初の仕事はシンプルなUIを作ることで、当時のUnityエンジンに実装されているUIには不満があった。3週間の開発期間を経て、NGUIが誕生して11月初めにはリリースすることが出来た。
初めはシンプルなモノを作ることが自分の狙いで、まさにそのとおりに開発をした。自分のためのツールであったし、不要な機能は一切なかった。アセットストアでリリースしたのは後からの思いつきで、自分にとって便利なんだから他人も便利に使ってくれるかな、ぐらいの気持ちだった。最初の反応はビックリするほど好評だったんだけど、NGUIを使う人は例外なくより多くのことを希望していた。もっとウィジェットがほしい、もっとツールがほしい、もっとサンプル動画がほしい、チュートリアルだってもっと、と自分としては皆が気に入ってくれるということに対して喜んで期待に応えてきた。
それから一ヶ月たって、NGUIで前の仕事よりも稼げるようになった。心から興奮したし、あの状況だったら誰でもそうだったとおもうし、その勢いが続いた。まあ、そりゃあ友人とゲーム開発を進めるっていう元の計画を遅らせることにはなったけど、面白いうえに稼げるんだから自分としては気にならなかった。それからさらに一ヶ月たつとNGUIはアセットストアで一位をゲットして、それからさらに二日後には海賊版が出た。まあ海賊版作られるのは時間の問題とはおもったけどね。で、1000ドル(約80万円)以上を1日で稼ぐ日がついに来た。変だったかなぁ?NGUI海賊版を作成した人を2人知るようになって、じつは気に入ったからそれを購入までしてみた。でも、これがまた最高だった。
「海賊版の登場は商売にプラスに働く」という考え方を知ったのだが、NGUIのフリーお試し版ダウンロード後に購入検討してもらうというアイデアを実行に移した。リスクあることで大失敗するかもしれない。だって、タダで使えるのにわざわざお金を払うだろうか?しかし、驚いたことに、売り上げにこのことはほとんど影響することがなく、実行したときに前週と0.5%ぐらいしか差がなかった。他の開発者にとってメリットがあるように、アセットストアでNGUI同梱版のアセットをリリースできるオープン版まで追加費用を無料で提供した。売り上げにただちに直接的な影響は出なかったけど、長期的には必ずプラスになっていたと今でも確信をしている。
NGUIの機能が一揃いしたのがリリースから3-4ヶ月後の頃だったけど、ようやく元の計画に戻ってゲーム開発に戻ることが出来た。どのゲームを開発するか、その考えはもう変わっていて宇宙を舞台として探検ゲームから素早いアクション展開の船舶コンバットゲームに軸足が移った。変更した理由は船舶ゲームのほうが開発範囲が限定されていたためだった。後から考えると、元のプランどおりが良かったと反省してて、そうしたほうが幅広いユーザ向けでさらに歓迎してくれる人が多くいたとおもう。でも自分の当時の考えにもとづいてWindwardを誕生させた。
後悔が始まった
どうしても言いたいこととして、NGUIで稼ぎはフルタイム当時の3倍になって、やるべきことはフォーラムやQ&A対応だけだった。この対応は一日2-3時間はかかったし、残りの時間をWindward開発に当てることになった。結果、働くに働いて気づけば1週間に100時間、7ヶ月連続で仕事をしていた。
まあキチガイだというかもしれないけど、自分にとっては違う。仕事だと感じなかったし、趣味だとおもった。自分の希望どおり、在宅で楽しいプロジェクトに取り組んで、サイドビジネスとして安定した収入を得られるようにメンテナンスを続けた。ただ、夢がかなったのかというと、それはそうでもなかった。
不幸にもWindwardに集中すればするほど、NGUIメンテナンスがうらめしかった。大体、ここまで時間を食うつもりじゃなかったんだし、何よりも皆が望んだ機能修正である内製フォントやDepth/Zバッファの問題は自分の手に負えないものだった。Unityを直さないとどうにもならない問題だったにもかかわらずUnity社に問題を一緒に解決してくれる窓口をもっていなかった。それに加えて、Unityがもっと優れた新UIを自前で開発予定だということが分かっていたから、NGUIは遅かれ早かれオシマイが来るんだと感じながらも新UIのリリースは常に遅延されていてフラストレーションが溜まっていった。
本当はWindwardでユーザが増えてコミュニティが出来て、せめても開発期間6ヶ月後にはコストを賄える状況にしたかった。だけどそれは実現しない夢だった。リリースして7ヶ月でWindwardの売り上げは68本、ゲーム関連サイトで宣伝されても状況はまったく変わらなかった。その時点でさらに二人を雇い入れて週2800ドル(約23万円)はコストがかかるようになり、さらに自分も相当な時間をとられるようになった。
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